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ヘミング曲げとは?伸び値の考え方や金属の曲げ加工によるメリット・デメリットを解説|折り返し加工の技術や寸法精度・依頼時のポイントも解説

2026.09.10

ヘミング曲げとは?伸び値や折り返し加工の仕組みを解説|金属の曲げ加工による技術・寸法・メリット・デメリットを紹介

「ヘミング曲げとはどのような加工なのか」「ヘミング曲げでは材料がどのくらい伸びるのか」という疑問をお持ちではありませんか?

ヘミング曲げは、金属板の端部を段階的に曲げ、最終的に180度近く折り返した形状に仕上げる板金加工技術です。折り返した部分が補強として機能することで、製品の強度や安全性、外観品質を向上させられる点が特徴で、自動車部品や電子機器の筐体、医療機器など、強度と美しい仕上がりが求められるさまざまな製品に採用されています。

一方で、ヘミング曲げは通常の曲げ加工よりも加工条件の影響を受けやすく、材料の伸び値(伸び率)や板厚、曲げ半径、加工方法などを考慮しなければ、割れやしわ、寸法誤差などの不良につながる可能性があります。そのため、高品質な製品を製作するには、材料特性を理解したうえで適切な加工技術を選択することが重要です。

本記事では、ヘミング曲げの基本から、伸び値との関係、加工の重要性、メリット・デメリット、品質を維持するためのポイントまで、詳しく解説します。

ナサ工業では、SS・SUS・アルミの精密板金加工を、材料手配から切断・抜き・曲げ・溶接・表面処理・検査・出荷までワンストップで対応しています。ヘミング曲げを含む高精度な曲げ加工にも対応し、試作から量産までお客様のご要望に合わせた製品づくりをサポートしています。

ヘミング曲げの基礎知識

ヘミング曲げは、製品の強度や安全性、寸法精度に大きく関わる重要な曲げ加工のひとつです。加工品質は材料の伸び値や加工条件にも影響されるため、まずはヘミング曲げの基本的な仕組みや用途について理解しておきましょう。

ヘミング曲げとは

ヘミング曲げとは、金属板の端部を折り返して重ね合わせる板金加工技術です。一般的には90度程度まで曲げた後、さらに180度近くまで折り返す二段階の加工で行われ、「折り返し加工」とも呼ばれています。

この加工を施すことで、切断面が内側に収まり、鋭利なエッジをなくせるため、安全性が向上します。また、端部の剛性が高まることで変形しにくくなり、製品全体の耐久性や品質向上にもつながります。

ただし、ヘミング曲げでは、材料の外側が引っ張られて伸び、内側は圧縮されるため、加工時には材料の伸びや変形を考慮する必要があります。この「伸び値」の考え方については、後ほど詳しく解説します。

ヘミング曲げが活用される理由

ヘミング曲げは、単に金属を折り返すだけではなく、製品の性能や品質を高める重要な役割を担っています。

主な目的は次のとおりです。

  • 製品の端部を補強し、強度や剛性を高める
  • 切断面を隠し、作業者や利用者の安全性を向上させる
  • 外観を美しく仕上げ、品質を高める
  • 溶接を減らし、軽量化やコスト削減につなげる場合がある
  • 寸法精度を維持しながら組み立てやすい形状を実現する

このように、ヘミング曲げは機能性とデザイン性を両立できる加工方法として、多くの製品で採用されています。

ヘミング曲げが使用される製品

ヘミング曲げは、高い強度や安全性、美しい外観が求められる幅広い製品で活用されています。

分野使用例
自動車ドア、ボンネット、トランクリッド、各種ボディ部品
医療機器筐体、カバー、各種精密板金部品
電子・電気機器制御盤、配電盤、電子機器の筐体
産業機械機械カバー、安全ガード、フレーム部品
家電製品金属製の筐体、内部フレーム、カバー部品

特に板金性の筐体やカバーでは、利用者が直接触れる機会が多いため、切断面を保護できるヘミング曲げがよく採用されています。また、自動車や医療機器のように高い寸法精度と耐久性が求められる分野では、加工技術や材料特性を十分に考慮したヘミング曲げが製品品質を左右する重要な工程となっています。

ヘミング曲げにおける伸び値の考え方

ヘミング曲げでは、金属板の端部を折り返す工程で材料に引っ張りや圧縮の力が加わるため、加工前と加工後では寸法に変化が生じます。そのため、高精度な製品を製作するには、材料の伸びを考慮した寸法設計が重要です。

特にヘミング曲げでは、通常の曲げ加工よりも折り返し量や重なり部分の寸法管理が重要になるため、材料特性や加工条件を理解したうえで適切な伸び値を設定する必要があります。

伸び値とは何か

ヘミング曲げにおける伸び値とは、曲げ加工によって材料がどの程度変形するかを考慮するための数値です。

金属板を曲げると、曲げ部分の外側は引っ張られて伸び、内側は圧縮されます。この変形によって、加工前に想定した寸法と実際の加工後の寸法に差が生じることがあります。

そのため、板金加工では設計段階で材料の伸びを考慮し、展開寸法や曲げ寸法を調整することが重要です。

なお、材料試験で用いられる「伸び率」は、金属が破断するためにどれだけ伸びるかを示す指標です。これに対して、ヘミング曲げにおける「伸び値」は、加工後の仕上がり寸法を予測するために用いられる考え方です。材料が曲げによってどの程度変形するかを把握し、設計寸法とのズレを抑えるために重要になります。

ヘミング曲げで伸び値が重要な理由

ヘミング曲げでは、わずかな寸法誤差でも製品の組み立てや外観品質に影響する可能性があります。

例えば、折り返し部分の寸法が適切でない場合、

  • 部品同士が正しく組み合わさらない
  • 筐体やカバーの隙間が発生する
  • 外観の仕上がりにばらつきが出る
  • 強度や剛性が不足する

といった問題につながることがあります。

特に、医療機器や配電盤、機械装置などの筐体では、高い寸法精度が求められるため、材料の伸びを考慮した設計と加工技術が欠かせません。

伸び値に影響する主な要素

ヘミング曲げの伸び量は、一定の数値で決まるものではありません。以下のような条件によって変化します。

要素影響
材質SS・SUS・アルミなど材料ごとの伸びやすさによって変化する
板厚厚みが変わることで曲げ時の変形量が変化する
曲げ半径(R)Rが大きいほど材料への負担が少なく、伸び方も変化する
加工方法金型や設備条件によって仕上がり寸法に差が出る
曲げ回数ヘミング曲げの工程数によって変形量が変わる

例えば、SUS304のように延性が高い材料は曲げ加工に適していますが、アルミなど一部の材料では加工条件によって割れが発生する場合があります。そのため、材質ごとの特性を理解した加工条件の設定が重要です。

正確なヘミング曲げ加工を行うためのポイント

伸び値を適切に考慮するには、単純な計算だけでなく、材料特性や加工実績を踏まえた判断が必要です。

主なポイントは以下のとおりです。

  • 材料の特性や板厚に合わせて展開寸法を設定する
  • 適切な金型や加工設備を選定する
  • 試作によって実際の仕上がり寸法を確認する
  • 加工データや経験値を活用する

高精度な板金加工では、CADによる展開計算だけでなく、実際の加工条件を考慮した調整が重要です。

ナサ工業では、SS・SUS・アルミなど幅広い材質の精密板金加工に対応し、切断・曲げ・溶接・表面処理・検査で一貫した生産体制を整えています。材料特性や加工条件を踏まえた品質管理により、試作量産まで安定した製品づくりを実現しています。

ヘミング曲げのメリット・デメリット

ヘミング曲げは、金属板の端部を折り返すことで、強度や安全性、外観品質を高められる加工方法です。一方で、材料や加工条件によっては注意すべき点もあります。

ヘミング曲げを採用する際は、メリットだけでなくデメリットも理解し、製品の用途や求められる性能に合わせて適切な加工方法を選択することが重要です。

ヘミング曲げのメリット

ヘミング曲げには以下のようなメリットがあります。

製品の強度や剛性を高められる

金属板の端部を折り返して重ねることで、加工部分の厚みが増し、強度や剛性を向上できます。

特に筐体やカバー部品では、端部の変形やたわみを抑えられるため、耐久性が求められる製品に適しています。

安全性と外観品質を向上できる

金属板を切断したまま使用すると、端部に鋭利な部分が残る場合があります。

ヘミング曲げによって端部を内側へ織り込むことで、エッジ部分を保護でき、使用時の安全性を高められます。また、表面が滑らかに仕上がるため、製品の外観品質向上にもつながります。

材料を有効活用できる

金属板の一部を折り返して剛性を高めるヘミング曲げは、追加部材を使用せずに補強効果が得られる加工方法です。材料の使用量を抑えながら、軽量化や製造工程の効率化を実現できる点がメリットです。

また、部品点数を減らせることで、組立工程の簡略化やコスト削減にも貢献します。

複雑な形状や高精度な設計に対応できる

適切な加工条件を設定することで、さまざまな形状の製品に対応できます。

特に精密板金加工では、寸法精度を維持しながら筐体やカバーなどの複雑な形状を製作できる点が大きなメリットです。

ヘミング曲げのデメリットと注意点

多くのメリットがあるヘミング曲げですが、加工時にはいくつか注意すべきポイントがあります。

材料によっては割れや変形が発生する可能性がある

ヘミング曲げでは、材料の外側から引っ張られるため、伸びの少ない材質や加工条件が適切でない場合、割れが発生する可能性があります。

そのため、事前に材料の特性や伸び値を確認し、適切な曲げ半径や加工方法を選択することが重要です。

高い寸法管理が必要になる

ヘミング曲げでは、折り返し部分の寸法や重なり具合が製品品質に大きく影響します。

伸び値の考慮が不足すると、

  • 設計寸法のズレが発生する
  • 部品同士の組付けが難しくなる
  • 外観品質にばらつきが出る

といった問題につながる可能性があります。

そのため、展開寸法の計算や試作による確認など、精度管理が欠かせません。

専用の設備や加工技術が必要になる

ヘミング曲げは、通常の曲げ加工とは異なる工程や金型が必要になる場合があります。

特に高精度な製品では、設備性能だけでなく、材料特性を理解した加工技術や経験も重要になります。

ヘミング曲げを依頼する際のポイント

ヘミング曲げを含む板金加工を依頼する際は、単に加工できるかだけではなく、製品の用途や品質要求に対応できる加工会社を選ぶことが大切です。

確認しておきたいポイントは以下のとおりです。

確認事項内容
対応可能な材質SS・SUS・アルミなど、使用する材料への対応実績があるか
加工設備製品サイズや求める精度に対応できる設備を保有しているか
品質管理体制寸法検査や加工後の品質確認を行っているか
試作・量産体制少量試作から量産まで柔軟に対応できるか
一貫生産体制材料手配から表面処理、検査まで対応できるか

ナサ工業では、SS・SUS・アルミの精密板金加工に対応し、材料手配から切断・抜き・曲げ・溶接・表面処理・検査・出荷まで一貫した生産体制を整えています。ヘミング曲げをなどの精度が求められる板金加工では、使用する材質や板厚、加工時の変更料を踏まえた条件設定が欠かせません。試作から量産まで、お客様の使用や用途に合わせた製品づくりをサポートしています。

ヘミング曲げとは?伸び値の考え方や金属の曲げ加工によるメリット・デメリットを解説|折り返し加工の技術や寸法精度・依頼時のポイントも解説 まとめ

ヘミング曲げは、金属板の端部を折り返すことで、製品の強度や安全性、外観品質を高められる重要な板金加工技術です。一方で、加工時には材料の伸びによる寸法変化が発生するため、伸び値や材質、板厚、曲げ条件を適切に考慮する必要があります。特に高精度な製品では、設計段階から材料特性を理解し、加工実績や試作による確認を行うことが、品質を安定させるポイントです。

ヘミング曲げを成功させるには、単なる加工技術だけでなく、材料選定から寸法管理、検査まで一貫した対応ができる加工会社を選ぶことが重要です。

ナサ工業では、精密板金加工の豊富な経験を活かし、試作から量産まで幅広く対応しています。ヘミング曲げをはじめ、お客様の用途や要求品質に合わせた最適な加工方法をご提案します。

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