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ブロッコリー収穫台車 ― 運ぶ作業の負担を、今の現場に合わせて。―

2026.05.21

【台車のストーリー】農業の現場から生まれた一台の台車

日本の農業は今、大きな転換点にあります。
高齢化と人手不足が進む中、食料を安定的に供給していくためには、これまで以上に作業の省力化と生産性向上が求められています。2024年に改正された食料・農業・農村基本法でも、スマート農業をはじめとする先端技術の活用が重要な方針として示されました。

こうした社会的な背景の中、長崎県・島原半島の農業現場では、ある切実な課題がありました。
それは、収穫したブロッコリーを圃場内で運ぶ作業の重労働さです。傾斜やぬかるみのある畑での搬送は体への負担が大きく、とくに高齢の農業者にとっては、作業を続けるうえで大きな障壁となっていました。

「何とか、この作業を楽にできないか。」

その現場の声を出発点に、農業者、企業、大学が連携し、産学官地による共同研究として農業用電動台車の開発が始まりました。実際に圃場を見て、使って、話し合いを重ねながら、必要な性能や形を一つひとつ具体化していったのです

【開発された電動台車の特長】

開発された台車は、最大約150kgの積載に対応し、不整地や泥の多い圃場でも安定して走行できる設計です。速度は作業に合わせて制御できるため、高齢の方でも無理なく、安心して操作できます。

また、軽トラックに積載できるサイズ感や、汎用バッテリーによる充電・交換が可能な構成とすることで、「現場で本当に使えること」を最優先に考えました。

この台車は、単なる機械ではありません。
農業の負担を軽減し、作業を続けやすくすることで、農業を未来につなぐための道具です。作業が楽になることで、新たな担い手を呼び込み、地域農業を支える力にもなっていく。私たちはそう考えています。

【ナサ工業のものづくり】現場に合わせて「使える形」をつくる

ナサ工業株式会社は、金属加工を通じて多品種・少量生産や試作開発に長年携わってきました。この台車においても、「汎用的に売る製品」ではなく、「現場ごとに使える道具」であることを大切にしています。

圃場の幅や距離、傾斜、運ぶ量、使用する人の体力や作業動線。そうした条件は一つとして同じものはありません。そのため、台車のサイズや仕様についても、現場に合わせた調整やオーダーメイド対応を前提としています。

【製品構造の特長】軽さ・整備性・実用性を考えた設計

本台車は、アルミ部材を中心に構成し、リベット(カシメ)構造によって組み立てられています。溶接に頼らない構造とすることで、軽量化を図ると同時に、部品交換や調整のしやすさにも配慮しました。日々の作業で安心して使い続けられる、実用的な構造です。

将来的には、電動化や補助機構の追加など、段階的な省力化・自動化への展開も視野に入れています。いきなり高度な機械を導入するのではなく、今の作業を基点とした無理のない省力化を支える存在でありたいと考えています。

【製品スペック】

※圃場条件・用途に応じて個別設計が可能です。

  • 用途:ブロッコリー収穫後の圃場内運搬
  • 駆動方式:電動
  • 最大積載量:約150kg
  • 主構造材:アルミ、スチール(一部)
  • 組立方式:リベット(カシメ)構造
  • 走行性能:不整地・泥地対応
  • 重量:約35kg
  • その他特長:
    • 軽トラック積載対応サイズ
    • 汎用バッテリー使用(交換・充電が容易)

※ロボット・完全自動運転機械ではありません。

【私たちが目指すこと】農業の現場から生まれた一台が、未来を支える小さな一歩に

私たちはこの台車を、搬送作業にとどまらず、さまざまな農業シーンで活躍する存在へと育てていきたいと考えています。
現場の声に耳を傾け、使いながら改良を重ね、地域ごとに根付く道具として成長させていく。

農業の現場から生まれたこの一台が、これからの農業を支える小さな一歩になること。
それが、ナサ工業のものづくりの原点です。

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